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皮膚科を受診される方へ

皮膚疾患は、患者様ご自身でも見ることができ、その治療効果の結果も一目瞭然になることが多いため、診療に当たる医師には幅広い皮膚疾患の最新知識と経験が必要となります。また、急速に進む遺伝子学的病因解明や最新の治療法の開発など、皮膚科の最新知見を実地診療に役立てることも重要です。

当院では、丁寧な問診ならびに視診、必要に応じて諸検査をしながら治療にあたります。
治療により改善するものが殆どですが、疾患によっては難治性のものもございますので、現状維持あるいは悪化防止のための治療に終始することなく、十分なインフォームドコンセントをさせて頂くとともに、必要な医療機関と適切に連携し、治療を行っていきます。

皮膚科の主な対象疾患

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、繰り返す慢性の湿しんと皮膚のドライスキンが特徴的な皮膚病です。
かゆみが強く、掻くと悪化しますので抗アレルギー剤などを飲んで掻かないようにしましょう。ぜんそく、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎のある家系にでやすい傾向があり、また、ダニや食べ物などのアレルギーが起きやすいのも、アトピー性皮膚炎の特徴です。
当院では、患者様の症状やそれまでの治療歴に応じて、 保湿などのスキンケア、生活指導、外用剤の使用などを中心に治療を行っていきます。

湿疹

皮膚科を受診される患者様の3割程度を占める病名です。
ブツブツ・小さい水泡や赤み・粉をふくなどが混ざってでき、かゆみがあります。原因として考えられるものは、自己免疫・食べ物アレルギー・ダニ・HD・薬疹・ウイルス性発疹症などがあり、組織学的には、急性、亜急性、慢性と分かれますが、臨床的には、通常は急性湿疹、慢性湿疹に分類することが多いです。

蕁麻疹

かゆみの強い、類円形などのわずかに盛り上がったミミズ腫れが数分~数時間できて消えていくものを蕁麻疹(じんましん)と言い、3~4週間以内に治るものを急性蕁麻疹、それ以上続くものを慢性蕁麻疹と言います。

蕁麻疹の原因は、食物、内服薬、細菌やウイルスの感染など様々あり、検査には皮内反応や血液検査IgE RAST法、一般血液検査等を行いますが、慢性蕁麻疹では原因が特定できないことが多々あります。
治療には抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、H2ブロッカーなどを使います。

水虫

水虫は、白癬菌というカビが足の皮膚に入り込んで生じる病気です。白癬菌の増えやすい夏に症状の悪化が多く見られるのが特徴で、足白癬は趾間型、小水疱型、角質増殖型、爪水虫に分類されます。
水虫は、通常は塗り薬で治療しますが、爪水虫になると塗り薬だけでは爪の中になかなか浸透しないため治すことは困難です。 爪の中の白癬菌に薬が到達するには、飲み薬(経口抗真菌薬)がもっとも効果的とされています。


1.趾間型(しかんがた)

最もよく見られる型で、足の指の間が白くふやけて皮がむけます。

2.小水疱型(しょうすいほうがた)

土ふまずや、足のふちに小さな水泡(水ぶくれ)ができます。

3.角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)

足の裏、特にかかとの部分の角質が厚くなり、表面がゴワゴワになり皮がむけてきます。

4.爪水虫(爪白癬:つめはくせん)

足の水虫が爪に徐々に入り込み、爪が白く濁ったり、厚くなり変形したりします。かゆみなどの自覚症状はありませんが、水虫を繰返す原因になります。

水虫は、通常は塗り薬で治療しますが、爪水虫になると塗り薬だけでは爪の中になかなか浸透しないため治すことは困難です。 爪の中の白癬菌に薬が到達するには、飲み薬(経口抗真菌薬)がもっとも効果的とされています。

イボ

イボウイルスの感染で発症し、人から人へ感染し、うつったイボをいじればどんどん増え、髭剃りで増えやすい傾向もあります。また、非常にうつりやすいイボ(青年性扁平性イボ)はイボの部位をこすっただけで、こすった範囲にたくさんイボがうつります。

イボの治療は液体窒素療法でマイナス196度位に冷やす方法で行います。また、どうしても治りにくい場合には、内服療法、外用療法を行います。

イボ治療 外用療法(基本的には冷凍凝固療法と併用になります。)

◎グルタルアルデヒド外用療法(ステリハイド) 組織タンパクを凝固させ、ウイルスを殺菌する治療です。1日1~2回自宅でイボに外用いたします。数日外用するとイボが褐色調に硬くなりますので、受診時にけずります。体質によってはかぶれる場合があります。
ステリハイド 30ml 500円(保険外治療)

リスク・副作用

イボが褐色に着色します。治療を止めれば消えていきます。

◎ビタミンD軟膏 角化を抑えます。

◎ベセルナクリーム 1包 1,000円(保険外治療)

リスク・副作用

一時的に塗布部位皮膚に赤みが現れることがあります。

たこ・うおのめ

たこやうおのめは、足の特定の場所に継続的に圧力がかかって発症します。
たこは皮膚の表面の角質が部分的に肥厚したもので、痛みません。うおのめは肥厚した部分にさらに圧がかかり硬くなり、芯をもっているため、歩くたびに刺激されて痛みがあります。

また、足の裏によくできるのが足底疣贅(そくていゆうぜい=イボ)で、これをうおのめと勘違いすることがありますが、イボウイルス性の腫瘍であり、知らずに削って広がることもありますので、この鑑別をきちんとするためにも、皮膚科の受診をお勧め致します。

ヘルペス

ヘルペスウイルスの感染で起き、顔にできるⅠ型と、外陰部・臀部にできるⅡ型のウイルスの2種類があり、初感染で口内や外陰部に発疹ができたときは高熱と激痛があり、かなりつらくなります。

ヘルペスの治療は、抗ウイルス剤5日間の内服と外用を行います。発疹の出る前にチクチク感などの予兆がありますので、その時点で内服を始めると治りが早くなります。単純性ヘルペスウイルスは神経節に入ると、遺伝子の形にかわって潜んでいるため薬で殺せません。 寝不足、つかれ、かぜ、日焼けなどで抗体価が下がると増殖して再発します。

脂漏性皮膚炎

脂腺の多いところにできる湿疹で、頭部、顔、胸背部などにできやすいのが特徴です。新生児や乳児にはかなり多くみられますが、大きくなるにつれて自然にできなくなってきます。これに対し、問題になるのは中高年の方の場合で、頭、顔、耳にフケがしつこくでて、非常に憂うつになる病気です。

原因としては皮脂の成分の質的異常にあり、皮膚の機能の老化が関係します。 また、でんぷう菌の感染が問題になることがあり、脂漏性皮膚炎治療として、強く洗いすぎないようによく洗うのが基本で、そこにステロイド軟膏とでんぷう菌に効く抗菌剤を塗ります。

帯状疱疹

水痘・帯状疱疹ウイルスの感染ですが、水痘を経験した人にだけ発症します。頭部から下肢までの間の、片側の一定の神経支配領域に神経痛様の痛みを伴った小水泡が帯状にできます。 顔にできると、顔面神経麻痺、内耳の障害によるめまい、耳鳴りなどが起こることがあります。

問題は痛みで、帯状疱疹後疼痛として長い間痛みが残ってしまうことがあり、しかもこの痛みは治りにくいため問題になります。帯状疱疹は、いち早く皮膚科を受診して早く治すことで、帯状疱疹後疼痛の発生頻度を低くすることができます。

お子様の皮膚疾患について

アトピー性皮膚炎、とびひ、イボ、水イボ、おむつのかぶれなど、お子様に多い皮膚疾患を拝見します。お子様の皮膚は、大人に比べて非常にデリケートなので注意が必要です。
また、お子様特有の皮膚症状も多く見られます。そのため、皮膚科専門医がしっかりと診察した上で、お子様お一人お一人に合った方法で治療致します。

お子様の主な皮膚疾患

アトピー性皮膚炎

アトピーのお子様の約60%は、血液検査をすれば5大食物アレルゲンのどれかに陽性を示しますが、実際に食べてみて皮膚が悪化するのは10%以下と言われています。食物検査が陽性だからといって、アトピー性皮膚炎の原因がその食物であり、除去さえすれば治ると考えるのはやや短絡的ではないかと思います。その食物を1週間程度食べさせないで皮膚がきれいになり、次の1週間食べさせてみて皮膚が悪くなった場合にだけ、その食品を3歳ぐらいまで控えさせると良いと考えます。

また、油分の足りない皮膚にとって、汗もかゆみを起こす刺激物であり、暑い季節には、肘や膝などの関節の内側や首のしわの所などに湿疹ができやすくなります。
乾燥肌や掻きこわしをそのままにしていると、ハウスダストやダニなどに対するアレルギーが起こってきます。湿疹ができてしまったら、治療のためのお薬の力を借りて良いに戻しましょう。

尚、アトピー性皮膚炎の治療にあたり、ステロイドの塗り薬に抵抗をお持ちの親御様もいらっしゃいますが、症状に応じて必要な量を必要な期間だけ使い、症状が軽くなったら薬を減らしたり、弱いものに変えたりすれば心配ありません。

当院では、「これはこのように~日間塗って、次は~日に受診して下さい。」といったように、詳しく具体的にご説明致しますので、どうぞご安心下さい。
そして、皮膚の状態が良くなった後に、保湿剤でスキンケアをきちんと続けることがとても大切です。

とびひ

とびひは、あせもや虫刺されを掻きこわした傷、すり傷、ジクジクした湿疹などに細菌が感染して起きます。これらの細菌は、健康な皮膚には感染しませんが傷ができていたりアトピー性皮膚炎があったりすると、皮膚の抵抗力が弱くなっているため感染してしまいます。

とびひの治療は、抗生物質とかゆみ止めの飲み薬を服用し、抗生物質軟膏とリント布に亜鉛華軟膏をのばして貼付し、包帯巻きをします。また、細菌培養検査にて原因となる細菌を同定し、最も効果のあるお薬を処方致します。

イボ

イボの治療は、液体窒素による凍結療法が基本です。尚、痛みに弱いお子様には薬剤塗布による治療(治癒までに時間がかかる場合や、一部自費診療になる場合があります。)も行っておりますので、詳しくはご相談下さい。

水イボ

水イボは、イボウイルスとは異なるウイルス(伝染性軟属腫ウイルス)の感染によっておこります。5~6歳児に最も多く見られ、放置しておいても1~2年で大部分は消えますが、自家接種して数を増やしたり、患児との直接の接触だけでなく、バスタオルやスポンジ、 ビ―ト板などの器物を介しても感染します。プールに入れないことや集団活動に制約がでることもあるので、お早めに治療されることをお勧め致します。

水イボの治療は、摘徐が基本で、専用のピンセットで水イボを1個ずつ摘まんで中身を取ります。尚、痛みを軽減するため麻酔テープもございますので、お気軽にご相談下さい。

おむつかぶれ

尿や便に含まれるアンモニア、酵素などに皮膚が刺激され、おむつの当たるところに赤いブツブツやただれができます。尚、皮膚のシワの間にできている場合には、カンジ ダ皮膚炎の可能性があります。
おむつかぶれの際は、洗面器にぬるま湯を入れておしりを洗い、亜鉛華軟膏やワセリンを塗ります。また、ひどい時には弱いステロイド軟膏を塗ります。

カンジダ性皮膚炎

カンジダ性皮膚炎は、便の中にいるカンジダ菌が、皮膚の弱い赤ちゃんのお尻について炎症を起こし、股の皮膚のシワの間にまで赤いブツブツができたり、炎症のある赤い皮膚が端の方からむけて、ただれる事もあります。

カンジダ性皮膚炎の治療は、患部の皮膚を顕微鏡で調べてカンジダ菌がいるかどうかを確認し、カビに効く抗真菌剤の塗り薬を使用します。

ヘルペスウイルス感染症

1.口唇ヘルペス

最も一般的な病態で、発熱、紫外線の曝露、疲労などが誘因となりますが、実際には成人に比べて小児では少ないようです。皮疹の出現する1~2日前に局所に熱感、違和感、ピリピリとした刺激感などの前兆がみられ、小型の水疱が出現し、次第に集まって膿疱、糜爛になり、やがてカサブタになり7~10日で治ります。

2.ヘルペス性歯肉口内炎

乳幼児・小児のHSVの初感染のうち90%は不顕性感染ですが、ときに初感染の症状としてヘルペス性歯肉口内炎があります。高熱とともに口腔内、舌、口唇などに小潰瘍、白苔を有する糜爛が多発し、所属リンパ節の腫脹が著明で、口腔内の痛みにより摂食・飲水が困難となります。発熱は3~5日程度で解熱しますが、口腔内の病変の治療には約2週間ほどかかります。

3.カポジ水痘様発疹症

アトピー性皮膚炎に合併する例が多く、抗HSV抗体保有率の低下(以前は成人の70%ほどでしたが今は50%程度)と、重症型のアトピー性皮膚炎の増加に伴って、学童期~成人での発症が増加しています。
発熱、リンパ節腫脹などとともに、顔面に多発性の小水疱が多数出現し、さらに顔面全体に播種状に拡大し、水疱は破れて糜爛します。

4.ヘルペス性ひょう疽

指先に感染し多房性水疱を形成します。痛みが激しく、腋窩などの所属リンパ節が腫れ、発熱することもあります。乳幼児では指しゃぶりで口腔内病変から感染したり、逆に指から歯肉口内炎を生じることもあります。
ヘルペスウイルス感染症の治療は、抗ウイルス薬の内服が第一の選択しで、初期では特に高い有効性が見られます。口唇ヘルペスなどの再発に対しては、成人の場合は抗ウイルス薬の塗り薬のみで治療可能ですが、お子様の小児の場合には、抗ウイルス薬を内服した方が良いと思われます。

水痘・帯状疱疹

水痘(みずぼうそう)

水痘は、麻疹に次ぐ感染力の強いウイルスで、飛沫感染し罹患者の約80%は5歳までに発症しています。潜伏期は平均15日で、軽い発熱とともに顔面・体幹を中心に小紅斑が多発し、紅斑は速やかに赤い小水疱となり、水疱は徐々に膿疱化し、通常5~7日でカサブタ化します。

お子様の場合は一般に軽症であることが多いようですが、皮疹の拡大のみならず、発熱やかゆみの軽減につながるため、積極的に抗ウイルス薬の内服薬を処方します。

帯状疱疹

帯状疱疹は、高齢者に多く強い痛みを伴った皮膚病ですが、最近はお子様に発症する例もございます。体の片側に軽い痛みやかゆみとともに、赤いブツブツや水疱が帯状に出現し、次第に膿疱化し、約2週間でカサブタ化します。炎症が強く、皮膚に糜爛や潰瘍を形成して傷跡になることもあります。

軽症の場合は抗ウイルス薬の塗り薬でも治療可能ですが、やはり抗ウイルス薬の内服を処方します。
痛みやかゆみを抑えたりするだけでなく、炎症の程度を軽減して皮疹の拡大や程度を軽くすることによって傷跡になることを防ぐ効果もあります。

接触皮膚炎

1.砂かぶれ

手足の皮がむけたり、赤くなったり、ブツブツができたりします。砂遊びの後に生じるものが典型的ですが、原因は砂に限定されるわけではありません。汗による異汗性湿疹(汗疱状湿疹)と混同されて使用されているケースも多いようです。

2.ズック皮膚炎

足の裏~足の指が少し赤くなり、乾燥してカサカサとなり、やがて亀裂ができます。ゴム靴や靴に侵入した砂などの刺激が原因と考えられ、靴下を履くように指示することで軽快することもよくあります。

3.よだれかぶれ

よだれとともに付着する食べ物による刺激、よだれを拭き取る際の摩擦刺激、拭き取ることによる皮膚の乾燥など、複数の要因が重なり、口の周りはもとより、頬などにも皮膚炎を生じます。

4.植物によるかぶれ

お子様は、日常生活で様々な植物と接触する機会が多く、植物が触れた部分をなぞるように線状に赤くなったり、水ぶくれができたりします。原因となる植物はウルシ、ハゼ、ギンナン、イラクサ、最近ではガーデニングブームの影響で、サクラソウ、キクなどの報告も増えています。

巻き爪治療

フェノール法

巻き爪のふちを爪の根っこの部分から切り、フェノールという薬品を使って爪母を殺してしまい、爪を生えてこないようにさせる事によって、巻き爪、陥入爪を防ぐという手術方法です。
痛みも少なく短時間の外来手術で終わり、歩いて帰れるなど優れた利点があります。

リスク・副作用

一時的に塗布部位皮膚に赤みが現れることがあります。

クリップ法

爪の先端をクリップで挟み、それらと一体となったバー部分の弾性で爪を矯正します。
外科処置の必要がなく、患者様ご自身で装着が可能なクリップです。適応症例が広いうえに効果が出るのが早く、再発しても簡便に再装着ができます。

リスク・副作用

長期のご使用で、金属疲労のためクリップが曲がり、矯正力が弱くなることがあります。また割れる事もあります。

ワイヤー法

爪の先端部分の両側に小さな穴を開けて、特殊なワイヤーを通します。ワイヤーは元に戻ろうとする力が強く、弯曲した爪を徐々にもとの平らな状態に戻して治療します。
麻酔や手術を必要としないので手軽にでき、矯正終了直後から痛みが軽減されていきます。

リスク・副作用

施術中や装着後に爪がわれることがあります。爪が乾燥している方や爪が薄くなっている・肥厚されている方に起こりやすいです。

AGA

男性ホルモンが原因の脱毛症です。
内服・外用薬治療・育毛メソセラピー・AGA遺伝子診断等の治療法がありますが、脱毛症にも様々な種類があり、医師による問診、診察を通じて抜け毛、薄毛をもたらす様々な原因を診断・特定し、適切な治療を早期に行う事が重要です。

リスク・副作用

服用した患者様の中で、100人中4人程度の割合で性欲減退、勃起機能不全などの副作用が報告されています。
また、極めて稀ですが、肝機能障害を起こすことが報告されています。
これらの副作用は服用を中止することによって元に戻ります。

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